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ここまでで、肥育牛の職業病といわれるもののうち、ルーメンアシドーシス、ルーメンパラケラトーシス、肝膿瘍、肝炎、代謝性腸炎、食餌性蹄葉炎、筋肉水腫(ズル)が登場しました。ルーメン内が酸性になるという単純そうな出来事が、実にさまざまな障害を引き起こす可能性をもっていることがわかります。そしてこれらのちょっと恐ろしげな病名が、意外と身近なものであるということも。 もちろん予防が大事なのは言うまでもないことですが、これはなかなか難しいことです。というのも、肥育という技術そのものが、ルーメンの能力をギリギリまで引き出す技術の上に成り立っているからです。病気にならずにどこまでこの餌に耐えられるか?が、その牛の肥育牛としての能力だと言ってもいいかもしれません。 だから、日々の観察の中で、ルーメンアシドーシスの兆候に気づいてあげることが大事です。上に挙げた病気が出たときは、他にも同じような可能性をもつ牛がいると考えて、次回ご紹介するような兆候を探してみたらいいかもしれません。
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