(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
桐野有美のコラム
「第15話 「蹄葉炎まで起こるなんて・・・」」

コラム一覧に戻る

2006年12月23日

 さて、ルーメンアシドーシスは、食餌性蹄葉炎の原因にもなります。
 ルーメンアシドーシスで乳酸が大量発生→グラム陰性菌がエンドトキシンを放出(ここまでは第11〜13話をご覧下さい)というパターンのあと、エンドトキシンの刺激によって、牛はいろんな炎症物質を作ります。まだ完全には解明されていないのですが、ヒスタミンという炎症物質が有力視されています。花粉症に悩まされている方は聞き覚えがあるのではないでしょうか。
 ヒスタミンは血流にのって末端までいきわたり、蹄真皮(蹄の中身)に炎症を引き起こします。そのせいで蹄真皮の血流が悪くなり、充血・出血・浮腫が起こります。浮腫のせいで蹄の中が圧迫されて血液の流れがさらに悪くなり、痛みがひどくなります。痛みで突っ張ったような歩き方をするのでロボット病とも言われます。ハイヒールの先に画びょうを敷き詰めて履いてみたら、蹄葉炎の歩き方がわかるかも。。。
|