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エンドトキシンが引き起こす病態について簡単に紹介しましたが、実際に日常の診療でよく見るパターンは、代謝性腸炎として発見されるものです。代謝性腸炎では、明るい黄褐色のおしっこのような下痢、高熱、食欲が落ちる、ルーメン運動が停止するなどの症状を示します。適切な治療を施さないと重篤な肝炎につながることも。 もしくは、突然まぶたや顔全体が腫れあがるというパターンもあります。腫れたまぶたが視界をほとんどさえぎるくらい腫れますし、雌だと外陰部も赤く腫れます。一種のショック症状です。肥育中期〜後期で、ある日突然発生することが多いようですが、導入して間もない子牛が、まだ肥育農家さんの餌に適応できずにこのような状態に陥るケースも珍しくありません。 また、エンドトキシンはビタミンAを破壊するという性質も持っています。あれ?当初の予定より早くビタミンA欠乏が出てきたな、という背景には、時としてアシドーシス〜エンドトキシン症という病態が隠れているかもしれません。
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