2015年7月24日 初乳のお話の続きを少し。初乳はもちろんその子牛のお母さんから直接もらうのがベストです。しかしながら、農場の飼養形態によってはあらかじめ保存しておいたストック初乳を飲ませるところもあります。初乳の保存は冷蔵または冷凍保存をします。冷蔵の場合、約1週間は成分が安定した状態で保存できますが、細菌は2日目で子牛に害が出る可能性があるほどの数に増えるため、冷蔵してそのままを与えるのはやめた方が良いです。きちんと殺菌したものを与えましょう。冷凍の場合は、殺菌処理をした後、解凍しなければ1年くらいは保存がききます。解凍する場合は60℃を超えない温度でゆっくり融かしましょう。高温で急速に解凍すると免疫グロブリンをはじめ、大切な成分が破壊されてしまいます。 初乳の基本摂取量は体重の5%が一つの目安とされていますが、注意すべき点は、ホルスタインからの初乳を黒毛和牛子牛に飲ませる場合です。ホルスタインの初乳は黒毛和牛の初乳に比べ、40~50%の量の免疫グロブリンしかないため、2L飲ませた場合、和牛初乳1L分の抗体しか摂取していないことになります。その場合は、初乳製剤を足して免疫グロブリンを補ってあげましょう。 前の記事 第90話:食べたくないわけじゃない | 次の記事 第92話:子牛についていろいろ④ |