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「第3話 「10,000,000,000,000,000匹の居候」」 |
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2006年8月21日
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まずはひとつめの機能について、ちょっと詳しく見ていきます。 ルーメン内で行われる作業に不可欠なのは、そこに居候している微生物たち(その数なんと10,000,000,000,000,000匹!)です。彼らは牛が食べた餌の中の炭水化物をエネルギー源として生きています。 微生物が炭水化物からエネルギーを取り出したあとに残るものが、牛にとって大変ありがたい揮発性脂肪酸(VFA)なのです。VFAは牛の主要なエネルギー源。人間でいうブドウ糖の役割をします。 牛が(というより牛の胃に棲む微生物たちが)利用できる炭水化物は、NDFとNFCのふたつに分けられます。 このアルファベットの略語がキライだ!という人が多いと思います(私も苦手)。でもこの連載の中では全部で5つしか登場しませんのでちょっと我慢を! NDF(Neutral Detergent Fiber:中性デタージェント繊維)というのは、稲わらや乾草に豊富に含まれる繊維のことで、発酵消化に時間がかかるタイプです。で、もう片方のNFC(Non Fiber Carbohydrate:非繊維性炭水化物)は、大まかに言うととうもろこしや麦などに豊富な糖やデンプンのことで、急速に発酵消化されるタイプです。
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