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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−79 「感謝の気持ち」」

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2010年3月19日

 トラックまで積み込めば、肥育農家さんの仕事は一応終了です。もちろん屠場まで自分で運ぶ人は安全運転でお願いします。やっとここで、少し肩の荷がおりるかもしれません。自分でセリ市場より選びに選んで導入し、約2年近くも肥育してきた牛さんです。少し情もわくかもしれません。しかし可哀そうと嘆く必要はありません。その牛さんは、あなたの農場で、幸せにストレスなく飼料をたくさん食べられたのですから、自信を持って送り出しましょう。ただ感謝の気持ちを忘れずに。肥育というのは、おいしい牛肉を創るという意味では、とてもすばらしい仕事です。しかし1頭の命を奪っているのは間違いありません。今の日本の暮らしを見渡せば、飽食の時代です。お金さえ払えば、何不自由なく食べる事ができます。そんな中で暮らしていると忘れがちなのが、食べ物の有難さです。そんな時代だからこそ、食べ物を創る側に立てた事を幸せに思い、牛さんに感謝の気持ちを持つことが大事だと思います。そうすれば、もしかしたら食べる側の消費者の人達にも伝わるかもしれません。
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