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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−76 「出荷の準備」」

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2010年2月26日

 最近は全国の屠場でアメリカや香港などへ輸出の許可申請をしていると聞きます。これからの和牛の販売ルートの開拓としてはとても良いことです。しかし、屠畜方法や設備など様々な衛生的な基準を満たさないと輸出はできません。それは、牛を搬入する農家さんも同じことです。もちろん今はO157の問題から汚れた牛を屠場に搬入できなくなっています。しかし輸出が始まるともっと厳しくなると考えて下さい。出荷する牛にヨロイなど付いているのはもってのほかです。まず農家さんがやるべきことは、きれいな状態で牛を搬入することです。
 出荷前に牛体を洗う農家さんも多いと思います。しかし先ずは、牛床です。牛床がぬかるんでいると、いくら綺麗に牛を洗っても、すぐに汚れてしまいます。そこで出荷前の牛さんのところには、ノコクズを足してあげて乾いた状態にしましょう。その後、天気の良い日を見計らって、牛を洗います。この時、間違っても洗剤などを使用してはいけません。洗剤には界面活性剤などが入っていますので、出荷できなくなります。必ず水又はお湯で洗いましょう。また体にこびり付いたヨロイなどは、ノコギリやカマなどで毛ごと切り取ってきれいにします。この時も、牛に声を掛けながら優しく接することをお勧めします。この時に恐怖を与えてしまうと数日後の出荷が大変になってしまいます。
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