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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−74 「出荷する順番を決める」」

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2010年2月12日

 出荷する順番ですが、例えば来月(2月)出荷予定の牛が10頭いるとします。1度に10頭出荷する農家さんは良いのですが、その月に何回にも分けて出荷する場合は、その順番を考えましょう。今は、地域ごとに銘柄牛を作成しているところが多いです。例えば、診療所管内だと「華鶴和牛」、熊本経済連だと「和王」などです。その基準として、生後月齢や肥育期間など様々な基準があります。あと1日足りないから「和王」にならない、などといって枝肉単価を下げられないように十分注意が必要です。また異なった出荷先を持っている農家さんでは、その出荷先が望むような牛を積むようにしましょう。例えば、小さい枝肉を好む肉屋さんに大きい枝肉を出荷すると単価は下がります。また、メスの方が単価が高いところ、皮下脂肪が厚くても良いところ、瑕疵があっても単価が下がらないところなど、その出荷先が望む牛を選抜することが大切です。せっかく自分が気に入って導入して、頑張って肥育してきた牛ですから、この最後のゴールまで手を抜かず、自分の牛が最高に評価される場所を見つけましょう。牛飼いさんは、やはり職人さん気質なのか、こういった出荷に対しての意識の薄い農家さんが多いような気がして、横で診療しながら聞いていると「もったいないなー」と思うことが多々あります。
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