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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−73 「出荷時期を考える」」

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2010年2月5日

 肥育とストレスも最後のステージになってきました。出荷牛の選定です。肥育牛を出荷する基準ですが、1番は何と言っても肥育期間です。肥育農家によってその肥育期間は異なりますが、その予定の肥育期間を満了したら出荷する農家さんがほとんどです。ごく稀にですが、濃厚摂取量が落ちて少し腹が絞れてくるまで出荷しない農家さんもいます。以前は、私も皮下脂肪が厚い雌などは、皮下が薄くなるまで飼い延ばしたことがありますが、皮下が取れるまで数ヵ月かかり、その後皮下が取れて出荷はしたものの、皮下が厚くなるような飼養管理の牛では芯も小さく結局B等級だったりと散々でした。飼料の食いについても、平茂勝などは「いつまで食べるんだろう」という程、食いが落ちない個体もいます。もちろん、皮下も薄く、飼料の摂取量も落ちるくらい飼い込むのが理想かもしれませんが、大事なのは経営です。無駄に肥育期間を延ばす経費と回転率の悪さを考えると、スマートな戦略とは思えません。自分の肥育期間内に仕上げられない場合は、その個体の病歴や飼養管理などを見直しましょう。もちろん共進会用や自分が期待している牛など、特定の個体などは別で、納得するまで飼えば良いと思います。
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