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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−72 「粗飼料を適正量給与しているが・・・」 」

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2010年1月29日

 私の家は粗飼料を適正量給与しているが、「濃厚飼料の食い、および肉質が安定しないんだけど」と悩んでいる農家さんもいるかもしれません。では、「質」はどうでしょう。左の写真を見て下さい。稲ワラロールをラッピングして保存していたものです。こんなカビの生えた稲ワラを給与して、ルーメンの発酵を助けられるでしょうか?何回も言いますが、粗飼料給与の目的は、ルーメン内の健全化のためです。これでは、かえって悪化させてしまいます。この農家さん曰く、「捨てるのがもったいない。カビてても食べるから良いのだ」と言います。例え、カビの生えた粗飼料を食べて、下痢などの症状が出なくても、ルーメン内にとってはマイナスとなっているはずです。そのことでルーメンが異常発酵していたら、本末転倒です。もしカビたロールを使用したいならば、カビている部分を大きく含めて処分しましょう。
 どんな粗飼料を使用するとしても、粗飼料の基本は、牛が良く食べる、そして便が締まる粗飼料が良いと思います。
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