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戸田克樹のコラム
第42話「ちばなし⑨~酸素運搬屋 ヘモさんミオさん~」

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2015年7月13日

寝苦しい夜が続いております。
梅雨も明けてないというのに我が家のエアコンはすでにフル稼働。
近代文明なしの生活には戻れなそうです(笑)。
 
 
さて、赤血球には赤色色素である「ヘモグロビン」という酸素とくっつくことのできるタンパク質が存在しております。

ん??赤色色素???

そうなんです。
血のあかーーい色は、このヘモグロビンから来ているのです。
ちなみに、ヘモグロビンは「鉄」を含むヘムという色素とグロビンというタンパク質からなる複合タンパク。1つのヘモグロビンは4つの酸素と結合することができます。


(色素は酸素とくっつくとあざやかな赤色になります)

体の中の鉄が足りないとこのヘモグロビンも減ってきてしまい、酸素を運ぶことができなくなってしまいます。
酸素は組織に運ばれて、細胞で消費されてなんぼ。運び屋のヘモさんはなくてはならない存在なのですね。

ちなみに

ヘモさんより酸素と強力にくっつくタンパク質があります。
彼の名は「ミオグロビン」。ヘモグロビンと違って血液中ではなくほとんどが心筋や骨格筋にあり、酸素をためこむ倉庫係りのようなはたらきをしてくれます。

通常は、ヘモさんが筋肉の使う酸素を供給するのですが、急な運動などで酸素が足りなくなったとき、倉庫係のミオさんがたくさんの酸素を放出し、筋肉が利用するのです。

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