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数面麻子のコラム
第89話:子牛についていろいろ②

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2015年7月10日

 さて、2か月間きちんと栄養管理をしてあげたお母さんからは、立派な赤ちゃんが生まれてきてくれることでしょう。お産については桐野獣医師のコラムでとても詳しく書かれていますので気になる方はそちらを熟読してみてください(*´ω`)

 生まれてきた赤ちゃんは牛さんの胎盤構造の関係上、全く免疫を持たずに生まれてきます。(逆に霊長類やげっ歯類は多くの抗体が胎盤経由でやってきます。そちらの方が良いような気がしますが、牛さんの胎盤構造は分娩後のお母さんのダメージが少ない構造になっています。)
 なので、初乳は赤ちゃんにとってこれからの人(牛)生を健康に過ごすために非常に大切なものとなります。初乳には、免疫グロブリンだけでなく、ビタミンやミネラル、抗菌性物質など様々な物質を含んでいます。皆さんもよくご存じだと思いますが、生後6時間以内には十分な初乳を摂取させることが大切です。また、この時期の赤ちゃんの消化管はお母さんからの免疫グロブリンを吸収しやすい構造になっているため、そこに同じくらいのサイズのばい菌は容易に侵入できてしまいます。分娩房は必ずきれいにしておきましょう。 

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