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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その14~番外編(熱中症は怖いよ!)~

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2015年6月29日

 車で数百kmも移動して、暑い中言葉もうまく通じないストレスを受けつつ一日中子牛の輸送準備をして、ろくに物も食べず徹夜で移動して翌日の午前中、一人で(この頃はまだ牛を扱えるスタッフがいませんでした。)トラックにバラ積みの子牛を捕まえて体重を計り、それぞれの子牛に鼻環と耳標を装着して各牛房に移動し終わったのはお昼頃でした。

 子牛たちは、それまでの環境からすると敷料もたっぷりで、導入用の塩水も用意してある天国のような場所に移されて、それはそれは快適そうです。

 それを見てホッと一息ついた頃、何か変な感じがしてきました。
吐き気とめまい、頭痛、そしてしばらくすると手足が硬直してきました。
本来なら、自分ですぐに診断が付くところでしょうが、もう頭の中も真っ白く煙ったようでその場で倒れてしまいました。幸運だったのは、熱中症の経験があるスタッフが、すぐに僕の顔色が真っ青なのに気づいて、頭から水をぶっかけてくれたことです。
それと大量に水を飲まされて、塩を口に突っ込まれて、唯一冷房の効くジャンさんのビュイック(アメリカ製の自家用車)に連れて行かれて、ガンガンのクーラーの中で寝かされていました。

 おかげさまで、小一時間もすると呼吸も楽になりめまいや頭痛、吐き気も治まってきました。それまで「熱中症」をなめていましたが、こんなに怖い物なんだと実感できました。(この経験があったおかげで、日本でコンサル中に熱中症になった時はすぐに対処できました)

 これからまた大変暑い夏がやってきます。
皆さんも熱中症には十分気をつけてくださいね。それから、夏の夕方に呼吸の早い牛さんがいたら、肺炎だけではなく熱中症も疑ってみましょう。診断を間違うと死に至るケースが多いのです。

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