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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−68 「寒さ対策 編2」」

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2009年12月25日

 次の対策としては、扇風機と関連があるのですが、牛床です。やはり、ぬかるんでいる牛床は要注意です。牛床が濡れていると、お腹が冷えて下痢しやすいだけでなく、牛体も濡れて寒さ倍増です。自分の立場で置き換えたら、あまり寝たい寝床ではありませんよね。もしこういう牛床であるならば、床換えするか、少しオカクズを足してあげても良いです。取り敢えず牛床を確認してください。乾いている事が重要です。
 次に「風」対策です。気温が下がると風が冷たくなります。この「風」が寒さを倍増させます。牛舎構造や立地条件にもよりますが、吹き抜けの牛舎などは風対策が重要となります。一番良いのは、左の写真のようなカーテンです。風が強い日や夜のみカーテンを張るとかなり効果的な寒さ対策になります。もちろん、ずーとカーテンを張りっぱなしだと、牛舎の通気性が悪く、逆に風邪が蔓延し易くなるので注意が必要です。
 また、立派なカーテンがなくても、ラッピングした稲ワラロールなどを冬のみ積上げて、壁を作る人もいますし、トタンなどを寒さ対策に使う農家さんも多いです。
 この寒さ対策は、風邪や下痢などの疾病対策のためだけではありません。やはり、コンディションがイマイチならば飼料摂取量も低下するはずです。いかに肥育期間に飼料摂取量を上げるかを考えたときには、重要な考え方ではないでしょうか。
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