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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−67 「寒さ対策 編」」

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2009年12月18日

 昨日ぐらいから寒さが厳しくなってきました。もちろん12月ですから寒くなって当然です。しかし気温の急激な低下により体調を悪くする人も多いでしょう。ここで寒さ対策について少しだけ。「牛は寒さには強い。」とお考えの人が多いと思います。私も夏より冬の方が肥育牛の飼料摂取量も上がりますし、特に鹿児島では、冬の方が牛にとっては過ごしやすいかなと思います。しかし、いくら寒さに強い牛といっても、急に気温が低下する時期などは、大きなストレスとなり風邪などの疾病が多くなります。逆に一旦寒くなってしまえば、牛は慣れてしまいます。これが新しい環境や飼料に慣れておらず、ルーメン内のコンディションが悪い導入期の牛であれば尚更です。一般的に繁殖農家さんでは、仔牛は幼弱なものであるという認識が高く、保温などの寒さ対策は万全なところが多いです。肥育農家さんでも急に冷え込んだ時、導入期の牛などには、寒さ対策をしてあげましょう。
 寒さ対策といっても、特別な装置が必要なわけではありません。簡単なところから紹介してきます。先ずは、扇風機です。以前の「肥育とストレス」のコラムの中で書いたように扇風機は、暑熱対策以外にも、牛床を乾かすという意味もありますので、冬でも扇風機を回します。しかし、急に冷え込んでくる時期は、少しだけ風力を緩めます。もしくは、気温が低下してくる夜のみ弱めたりします。この少しの調節だけでもとても効果的です。 
 もちろん肥育前期だけと限定しても良いです。その後、寒さに牛が慣れてしまえば、あまり意識しなくても良いかもしれませんが、とにかく急激な気温の変化がある時は要注意です。
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