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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−66 「増しエサ(後期のふりかけ)3」」

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2009年12月11日

 先ず1つ目の方法は、基本飼料を減らす方法【タイプⅠ】です。増しエサを給与量の分だけ基本飼料を減らします。例えば生後21カ月の時点(早い農家さんでは生後19カ月)で、基本飼料を10kg給与していた場合、トータルの量は変えずに、増しエサを1kg給与し始めたら基本飼料を9kgにして給与するというような感じです。その後、増しエサに慣れてきたら、漸次その割合を増やしていきます。このタイプの方法だと増しエサを3kg以上給与できます。増しエサの与え方としては、基本飼料を給与した上からふりかけのように給与する農家さん、午前中の給与時には基本飼料を、午後は増しエサだけ、と完全に分けて給与する農家さんもいます。
 2つ目は、基本飼料の量は変更しないで、追加として給与する方法【タイプⅡ】です。基本飼料を減らさず、増しエサを余分に与えることになるので、牛にとっては負荷が掛かります。よって増しエサの給与量は、1kg程度の農家さんが多いです。この方法だと、牛によっては絞れてくる個体も多く、下痢などが多い印象です。どうやらこっちの方法は、この「枯れる」ことを狙いにしていることが多いようです。牛の状態を見ながら給与量を微妙に調節し肥育期間内に牛を仕上げるのです。どっちの方法が良いとは言いませんが、増しエサのやり方によってはストレスとなるので注意が必要です。私は、特に夏場など牛が早く仕上がり過ぎる農家さんなどには、増しエサは止めてもらうようにしています。牛の状態を見ながら給与することがとても重要となるのです。
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