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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−65 「増しエサ(後期のふりかけ)2」」

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2009年12月4日

 最近では、増しエサを使用しなくても成績が変わらないので給与しない、という農家さんも多いです。一方で、増しエサをやらないと「脂肪の質」はもちろんのこと、「肉の照り」などもなく、「サシ」の入りが悪いと言う農家さんもいます。増しエサを給与した方が、餌のカロリーを上げられるので、理論上は有利だと考えられます。しかしやり方次第では、増しエサは牛にとってストレスとなり、給与が難しい飼料でもあるのです。
 例えば、増しエサを給与し始めると、今まで食べていたものと違うものを食べられるので、牛は良く食べます。しかし食べるからと言って食べるだけ給与してしまうと、ルーメン内がオーバーフローしてしまうのか下痢をする個体が出てきたり、個体によっては絞れてくる(牛が枯れてくる)牛も出てきます。そう考えると、一番簡単な肥育は増しエサを使用しないことかもしれません。
 でも、篤農家さんでは、牛の状態を見ながら増しエサの給与量を上手に調節している方が多く、出来るものならぜひ真似したいものです。この増しエサの給与量と方法には、管内の農家さんでは大きく分けて2通りありますので、次回紹介したいと思います。
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