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第87話:風邪の予防について考えてみる⑮ |
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2015年6月26日
風邪のテーマでいろいろお話してきましたが、役に立つ内容が1つでもありましたでしょうか。ワクチンの話は風邪というより肺炎予防と言った方が正しいですが、やはりワクチンは予防の1つとして非常に有用です。また、風邪によって免疫が落ちると様々な病気を引き寄せてしまうので、治療になる前に予防することが大切ですね。
さて、牛さんではないですが、人ではよく「しっかり汗をかけば風邪が治る」といいますね。まず、なぜ汗が出てくるのでしょうか?だいぶ前にお話ししましたが、病原体が感染すると体温が上がります。免疫細胞が最も活発になる温度まで上げるためです。しかし、それ以上に体温が上がってしまうと、免疫細胞は逆に活性が落ちてしまいますし、体にとっても危険な状態になります。そのため、今度は上がり過ぎを防ぐために、体温を下げようと働くのです。その際に汗がでるのですね。汗が出るほどに、体はばい菌と戦っている状態なので、汗をかいた次の朝は、その戦いが終わりスッキリするのです。そこで勘違いして、風邪を引いたら汗かくほど厚着したほうが良いのだ!としてしまうと、逆に熱の逃げる場所がなくなり、場合によっては汗のかき過ぎで脱水なんてことも・・・。保温はもちろん良いことですが、ほどほどが良いのです。

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