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第86話:ちょっと休憩・・・③ |
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2015年6月19日
宮崎でのウミガメ上陸数が増えるのがだいたい6月末と7月末です。7月末は特に多く、上陸しているカメを実際に見られる可能性も上がります。しかしながら、7月末は大学生の試験期間でもあるのでこの時期は調査人数が激減し、カメが上陸するのを見かけると本当は喜ぶべきところなのですが、ちょっとがっかりもします。
カメのお母さんは慣れない砂浜をゆっくりと、なるべく海から遠いところ目指して進みます。しかしながら、宮崎の広大であった砂浜は年々縮小しており、産まずに引き返すお母さんの数は大変多いです。砂浜減少の理由はダムや防波堤などの影響があると言われています。私たちの生活を守るためのものですが、それらが動物たちの生活の場を奪っているということが彼らを見ていると良く分かります。
幸い産卵場所を見つけたお母さんは、だいたい1時間ほどかけて産卵をします。彼らが掘る穴は本当にきれいで感動します。産卵する時に涙を流すといいますが、実はあれは涙ではありません。海洋動物は海の塩分濃度が高いために、塩分濃度調節機能を体に持っています。カメはそれを目のあたりに持っているので泣いているように見えるのです。
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