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2015年6月12日
前々前回のコラムで、母牛のミルクに含まれる移行抗体が子牛のワクチン接種の効果を阻害する場合があるとお話ししました。ですが、この移行抗体を逆に上手く利用することで新生子牛に免疫をつけてあげることができます。実際に実施している繁殖農家さんも多いと思いますが、分娩前の母牛にワクチンを接種して、生まれた子牛に病原体に対する抗体を含んだ初乳を飲んでもらうという方法です。 母牛の初乳中の抗体濃度は産歴と比例します。ですので、経産のお母さん牛では分娩前3~4週に1回、初産のお母さん牛では6~8週に1回と3~4週に1回の計2回接種してあげると良いです。この時期、お母さんのお腹の中にいる胎児は急速に発育する時期でもあるので、ワクチンによる抗体が十分作れるようにお母さん自身の飼養管理もしっかりしてあげることも大切です。