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数面麻子のコラム
第84話:ちょっと休憩・・・②

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2015年6月5日

 カメ調査は夜9時過ぎから始まります。一同怪しい道具をそろえて海岸を歩きます。その際は、懐中電灯などの明かりは極力照らさないようにします。もし、上陸中のカメに光が当たるとカメが海に戻ってしまうからです。暫く歩いていると、カメの足跡が見つかります。その足跡はちょうど車が砂浜を走った瘢によく似ています。足跡をたどっていき、産卵した形跡がないか調べます。産卵場所が見つかると、そこが卵にとって安全な場所でなければ、卵を移動させる必要があります。宮崎の砂浜の砂は年々減少してきており、そのままでは満潮の時に卵が水没して全滅になってしまう場合があるからです。産卵場所は分かりやすいのですが、卵が埋まっている場所を探すのにはコツが必要となります。が、それは企業秘密。
 カメの卵はちょうど卓球の球くらいの大きさで、殻は薄くペコペコへこみます。卵の産み落とされる穴の深さは50㎝ほどあるので、恐らくお母さんの産卵口から穴に落ちる際に割れないのはそのペコペコ構造が重要であると思われます。1頭のお母さんが約110~120個生みます。

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