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蓮沼浩のコラム
第413話:エネルギーと病気 その7

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2015年6月25日

「ステナー・リージョン」
指の靭帯を縫合する手術をします。嗚呼、悲しいけど仕方がないですね。仕事に影響がでるのは本当につらいものがあります、ハア~~~~。大好きな居合もしばらくお休みです。どうしようもないので、今まで以上にたくさん本を読もうと思います。

離乳後の総コレステロールの低下をどうするのか?

 まず前回もいいましたが、頭に入れておかなくてはいけない事があります。それは、どんな状態であれVFAを十分に利用できる状態まで来ていない子牛を離乳する時はかならず程度の差こそあれ総コレステロールは減少するということです。ひどいものになると一気に100mg/dl以上低下する例もあります。
そして総コレステロールが100mg/dlを大幅に切るようなことがあれば、何かしらの問題が子牛に起きてくる可能性が高いということです。

 ならば、離乳する前の子牛の総コレステロール値を高い値で維持しておくというのは非常に有効な手段となります。日齢にもよりますが、離乳する時に大体150mg/dl以上の数値であれば、何とか100mg/dl以上の数値は維持できると思います。そのためにはやはり、子牛が健康でしっかりとスターターを食べ、ミルクを十分に飲んでいる必要があります。

 次に離乳の時期と仕方が重要になります。現在も様々な方法がとられていますが、どのやり方が良いかは一概にはいえません。十分なコレステロール値がある場合は1発離乳もありでしょうし、そこまでない場合は段階的に離乳をしていくことになります。血液検査結果と、その後の子牛の状態を見ながら総合的に判断していくことが重要です。何度もいいますが、離乳した後に子牛が崩れるようでは何か問題があります。

 じつはこの離乳に関して今まで紹介してきた脂肪酸が効果を発揮します。離乳前から添加することで離乳時の総コレステロールの値を高く維持することができ、離乳後も急激な総コレステロールの低下を幾分か緩和することができます。離乳という子牛にとってのエネルギー摂取方法の激変期に上手に使うことでうまく乗り切ってください。

 自分の牧場で離乳後の子牛がうまくいかないと感じている方は、是非血液検査で総コレステロールのチェックを行い、飼養管理の改善を検討してみてくださいね。せっかくいい感じでミルクを飲んで大きくなってきている子牛が崩れてしまったら残念ですからね。

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