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第39話「ちばなし⑥~赤血球の数~Part 2」 |
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2015年6月22日
五月雨を あつめて早し 最上川 -松尾芭蕉-
梅雨です。
江戸時代に芭蕉も体験したであろう、じめじめとした雨天のつづく毎日です。
最近の天気予報では、「降水確率100%」なんてのも当たり前になりました。
朝起きて カーテンあければ 外は雨 -戸田-
毎日そんな感じです。
さて、赤血球はどんなときに減ってしまうのでしょうか。
今回は赤血球の減少、いわゆる「貧血」について書き書きしていきます。
赤血球がどのようにしてできていくのか。
まずはそこからですね。
まだ赤血球の機能をもっていない「幹細胞」という細胞が骨髄の中にいます。この幹細胞君がスタートです。幹細胞君がどんどん成長すると「赤芽球」へ、さらには「網赤血球」となり、血液中にブワー!!っと放出。さらに血中で赤血球へと分化していきます(図)。本来はもっと細かな過程を経ますが、今回は割愛させてください。

「 つくれないのか なくなるのか 」
貧血の原因は大きく分けて以下の2つです。
① うまくつくれないから赤血球が減る(図 ピンク枠内の異常)
② つくったのにどんどんなくなっていくから赤血球が減る(図 青枠内の異常)
2番目の「なくなるから減る」はわかりやすいですね。
事故や手術などで大量に出血した場合、体内から赤血球が著しく失われるため、貧血状態になってしまいます。さらに、牛の場合はピロプラズマという原虫に感染することによっても引き起こされます(写真)。赤血球に寄生するこのピロ君…。おかげで赤血球はバンバン壊れていき、出血はしていないのに貧血状態になってしまうのです。おそろしや…。

では、「つくれないから減る」とはどういった状態なのでしょうか。
つづく
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