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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−58 「1頭マス」」

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2009年10月16日

 私が考える理想の仕上げ舎は「1頭マス」だと思います。もちろん、スペースの有効利用という面を考えたら、効率は悪いかもしれません。しかし、牛にとっては一番ストレスのない飼い方だと私は思います。1頭だと競り食いしない、と言う意見もあります。もちろん1頭にしてすぐは、食いは一過性に落ちると思います。牛は前にもお話した通り慣れの動物です。1頭に慣れれば自然と元の量に戻ってきます。また、いくら相性が良いと言っても、他人は他人、自分が食べたい時に食べたい分だけ食べ、寝たい時に好きな場所に寝る、これが一番だと思います。また、制限型の給餌方法の究極は1頭飼いです。日々の微妙な駆け引きが出来ます。餌の減りが悪いが、どちらの牛か分からないということもないですし、異常の発見も早いです。もちろん、1頭部屋の広さも重要です。農家さんによっては、仕上げになったら肥育牛はあまり動かさない方が良いという考えから、身動きが取れないほど狭いスペースに1頭で肥育している人もいますが、これは逆にストレスだと思います。牛の立場になって考えましょう。
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