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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−54 「本当の飽食」」

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2009年9月18日

 肥育において本当の飽食、牛が食べるだけ濃厚飼料を給与する農家さんの例です。牛の能力を最大限発揮させようとする給与方法であり、診療所管内では、この方法を行っている農家さんの方が上物率がぐっと高く、とびっきりの成績が出ることもあります。しかし一方で、これは牛に無理(負荷)をかける方法であり、下痢や肝炎などの疾病率が上がって、廃用や突然死のリスクも断然高くなります。また日々の飼料摂取量にムラがあり、食いが落ちたり、上がったりを繰り返しながら、肥育期間を全うしていきます。この肥育方法の場合、常に牛の状態を見ながら餌を給与し、下痢などの治療を頻繁に行う必要が出てきます。どちらかと言えば玄人向きの飼い方かもしれません。自分の力量および地域の獣医事情などと相談しながら実行すべき方法と言えます。
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