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戸田克樹のコラム
第34話「ちばなし②」

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2015年5月19日

 血液に流れるたくさんの物質。健康なときは保たれているバランスも、病気になってしまうと大きく崩れてしまいます。

 人間と違って「下腹部に違和感があって。」「頭痛がひどくて…」なんて話は牛さんとはできません。普段は体温を測ったり、聴診や触診をしたりして病因を探りますが、そこで重要になってくるのが血液検査です。病気になると大きくバランスの崩れる血液を検査することでさらにたくさんの情報を得ることができるのです。

 犬やネコなど、小動物診療においては血液検査を毎回実施する先生方が多いと思います。車でブンブン移動する家畜獣医師は検査機器が近くになく、また検査費用を考慮しなければいけないこともあり、毎回のように検査するわけではありません(>_<)。  初診時に「ん??なんだかフツーと違うゾ。」と違和感を感じた場合、治療しているのに治りがあまりよくない、もしくは悪化した場合、さらには出荷が可能かどうかを判断しなければならない場合などに実施します。  検査結果は数値に現れるので、「症状は良くなってるけど、まだ治療した方がいいな」、「聴診してもとくに異常なかったけど、元気がない原因はこれだったのかっ!!」など、はっきりと分かることがあります(もちろん毎回ではありませんが…)。  ちなみに、確定診断のために戸田がよく利用する血液検査項目があります。  それがこちらの面々  ・総タンパク(TP)  ・クレアチンキナーゼ(CK)  ・アスパラギン酸アミノトランスフェナーゼ(AST、GOT)  ・ガンマ-グルタミルトランスペプチターゼ(γ-GTP)  ・総ビリルビン(T-Bill)  ・総コレステロール(T-Cho)  ・尿素窒素(BUN)  ・クレアチニン(Cre)  ・ナトリウム、クロール(Na/Cl)  ・カリウム(K)  ・カルシウム(Ca)  ・リン(P)  ・タンパク分画  ・ビタミンA  ・末梢血液一般(血液5種)  ずらーっと書いていきました。カタカナだらけで目が痛いですね。よく耳にするものから、「何それ?」と思うものまであったと思います。これらが一体なんなのか。検査して何が分かるのか。気になるところです。 つづく

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