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戸田克樹のコラム
第33話「ちばなし①」

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2015年5月11日

突然ですが、チンパンジーは少しお休みいただいて、今回からしばらくテーマチェンジです。

「血液のおはなし」

牛にも人にも流れている血液さんについて今回から話していきましょう

血液はいったいなんのためにあるのか
 たくさんの細胞がつくりあげる動物の体に流れている血液は、さながら都市の中心に流れる運河のよう。非常に重要な液体です。簡単に言えば、血液はさまざまなものを円滑に運ぶ配達人といったところでしょうか。
 消化されたもの、酸素や二酸化炭素などのガス、体内で発生した老廃物、ホルモン、免疫にかかわる物質などなど、挙げ出すときりがないほどのものを24時間365日休むことなく運び続けてくれるのです。

 普段は目に見えないし、心臓や肺といった臓器と違ってなかなか注目されることはない血液さん。よく見聞きする臓器だって、血液がなければ元気に動き続けることはできません。さらさらと体を流れる血液が元気な体を作ってくれていることに感謝しつつ、今日も元気にコラムを進めていきましょう(笑)。

血液のなかみって?
 みなさんは自分の体にどれだけの血液が流れているか、ご存知ですか?蓮沼獣医師のコラム第48話にその答えが書いてありますので、ぜひご覧ください。
 ひとことで血液といっても、その赤い液体は「血漿」という液体成分と、赤血球や白血球などの細胞成分から構成されています。その割合はほぼ半々で、10%ほど血漿成分が多いといった感じでしょうか。血漿は90%以上が水分で、残りの数%の中にナトリウムやカルシウムといったイオン類、アミノ酸やグルコース、タンパク質などさまざまな物質が含まれているのです。ほぼ水です。しかし!!!この数%に含まれる物質のバランスが崩れると体調は簡単に崩れ、あっという間に病気になります。なんて絶妙なバランスの上に健康は保たれているのでしょう。驚愕です。

 ちなみに
 採血や血管注射でよく牛の血液は見ますが、自分の血液を見たときにびっくりしました。人間の血…黒いんです( ゚Д゚)。
牛の血はそれはそれは鮮やかな赤で、きれいなもんです。ベジタリアンは血液サラサラ~ってのは、どうやら真実のようですね(笑)

第33話 ちばなし①

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