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第81話:風邪の予防について考えてみる⑫ |
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2015年5月15日
さて、ワクチンの性質について今まで見てきましたが、各々のワクチンを打つのであればできるだけベストなタイミングで打ちたいものです。
ワクチンの効果を阻害するものとして有名なのは子牛が母乳から獲得する移行抗体ですね。移行抗体は生後徐々に減少していくのですが、移行抗体の切れる時期は子牛ちゃん各々によって異なってきます。また、病原ウイルスに対する移行抗体の半減期(戦う力が半分になってしまうようなイメージをしていただければ・・)はウイルスの種類によっても違ってくるのです。ですので、5種肺炎ワクチンを打った場合、その子牛の状態によっては5種全てに対しての免疫誘導が十分に行われないことがあります。
また、幼若動物の場合は免疫機能自体が十分に発達していないため、成熟した動物に比べて免疫反応が弱く、ワクチン効果の持続が短くなってしまいます。子牛にワクチンを打ってるのに、いまいち効果がないという場合は打つタイミングを見直してみる必要があるかもしれません。
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