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数面麻子のコラム
第80話:風邪の予防について考えてみる⑪

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2015年5月1日

 不活化ワクチンは比較的安全性は高いとされていますが、(ワクチン株の)病原体の体内での増殖力がないため、単独では体内に留まる時間が短く十分な免疫誘導ができません。そのためにワクチンに加えられているのがアジュバント(免疫賦活剤)です。アジュバントの働きにより、ワクチン(に含まれる抗原)が長時間体内に留まることができ、その間に免疫細胞は刺激を受けることができます。しかしながら、そのアジュバントがまれに牛さんにアナフィラキシーショックを起こしたり、接種部位が腫れてしまうなどの症状がみられることがあるので注意が必要です。
また、不活化ワクチンは免疫誘導が弱く、効果の持続が短いといわれるため、1回接種した後に暫く期間をあけて(だいたい3週間~4週間)もう1回接種してあげるとブースター効果により、より強い免疫を牛さんに与えることができます。

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