 |
第79話:風邪の予防について考えてみる⑩ |
コラム一覧に戻る
2015年4月24日
さて、なかなか強力な免疫誘導をしてくれる生ワクチンですが、もちろんデメリットもあるのです。生ワクチンは病原体の病原性を無くしても、増殖性は残っているためワクチンを接種した動物の状態は「発病はしないが、感染した状態」となるわけです。
よって、幼若動物や免疫不全動物で病原性を示すことがあったり、病原体が生体内で何らかの原因で病原性を獲得してしまうという問題があります。よって、妊娠している牛さんに生ワクチンの使用はやめておきましょう。病原体が増殖して胎盤を通過し、胎児に影響が出たら大変です。妊娠牛さんに打つ場合は不活化ワクチンが良いです。
ということで今度は不活化ワクチンについて。不活化ワクチンは言ってしまえば、死んだばい菌達を含んだ液体です。病原性はもちろんなし、増殖性もなし、なので妊婦さんや免疫不全の牛さんに接種しても比較的安全性の高いことと、保存性が高いことがメリットとしてあげられます。

前の記事 第78話:風邪の予防について考えてみる⑨ | 次の記事 第80話:風邪の予防について考えてみる⑪ |