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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−45 「削蹄編(2)

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2009年7月10日

 牛の蹄は飼養管理や血統によっても形や伸び方が異なります。削蹄師さんは、その牛の蹄形や歩行の状態、姿勢などを見て、蹄の伸びた角質を削って行きます。その削る角質の固さも環境によって変わるのです。季節の中では乾燥する冬に一番角質が固くなります。また繋ぎの肥育農家さんにおいては、前肢と後肢では前肢の蹄の方が断然固くなります。その理由は、後肢の場合、糞や尿(雌のみ)が蹄にかかるので、蹄の角質が柔らかくなるのです。自分で蹄を削ってみると分かるのですが、角質は固いより柔らかい方が削り易いです。人も爪を切る時は、お風呂上がりの方が切り易いでしょ。それと同じです。
 牛床管理が上手な煎餅布団の農家さんの場合、牛床が乾燥しているので蹄も乾燥して固くなっています。よって削蹄前は扇風機を止めて、すこし床を濡らすことをお勧めします。1日だけ止めても違うそうですが、3日前くらいから扇風機を止めるのがベストのようです(削蹄師さんより)。なるべく削蹄師さんが削り易い状態で「削蹄」を迎えましょう。
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