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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−44 「削蹄編(1)

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2009年7月3日

 診療所管内の多くの肥育農家さんも、肥育期間中に削蹄を行います。削蹄回数は、肥育期間中に1回行う農家さんがほとんどです。削蹄回数が多い農家さんでも、3回くらいまでです。削蹄回数に関しては、飼養管理にも依りますが、今は子牛市場に出る前に削蹄してあることが多いので、蹄の伸びが速い個体以外は肥育期間中に1回で充分だと思います。   
 一方、削蹄の時期に関してはというと、農家さんによって異なるようです。例えば、牛を仕上げ牛舎に移動する時など、肥育期間中の一定の時期になったら削蹄する、という農家さんもいますし、半年に1回、削蹄師さんを呼んだ時点で蹄の伸びている牛をすべて削蹄する、といった農家さんも多いです。
 削蹄の時期に関する注意点としては、あまり肥育後期で行わないことです。肥育後期になると牛もかなりナイーブになっているので牛の扱いにも注意が必要となりますし、期間を通じて伸びてきた蹄の長さや形は、それが変形蹄であったとしても、本人(牛)はその蹄形に慣れてしまっているはずです。よって削蹄直後は、その蹄形に慣れるのに時間がかかり、牛によっては少し破行したり、食いが落ちたりする個体もいます。削蹄は、出荷3〜4ヵ月前には行いたいものです。
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