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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その9

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2015年4月27日

 牛舎は前回お話ししたように、いろいろと問題を乗り越えながら(一度漏電で一棟燃えてしまいました(^_^;)、なんとか完成に向かっていきます。しかし、牛さんを飼うには、文字通り購入しなければなりません。飼料の 準備や労働者の確保も必要です。まずは、牛さんの購入のお話をしましょう。

 僕も含めて、中国人の社長も誰も、中国の牛の事情を知りません(よくそれで、中国に牧場を作って指導しようなどと思いましたよね?今の分別があれば絶対にやっていません。中国に牛肉文化を広めれば、外国牛はそちらに流れて日本の畜産は安泰だという強い思い込みがありましたし、なにより元気だったなぁ。)。
 まず、市場を調べてみました。すると柴棚(ツァィパンと読みます)というところに山東省で2番目に大きな家畜市場があるということが解り、出かけてみました。

 みなさんもそうだと思いますが、「家畜市場」というと、牛さんが1頭1頭購買者の前に引き出されて、みんなでせり上げて行く日本式の市場を想像すると思います。僕もそう思って行ってみたらまったく僕の予想外の巨大な市場が広がっていました。
 前日に、当地の畜牧局の方に「朝5時くらいから始まって、明るくなる頃には終わります」とうかがっていたので、「?? なぜ?」とは思っていたのですが、行って見て「あ、そうなんだ」と納得しました。いわゆる、バザールなのです。
中国牧場奮闘記 その9

それぞれの農家さんが個々に牛をトラックで運んできて、その牛さんを欲しい人と相対で価格交渉をして売り買いするのです。(その壮大な風景は写真2でご覧下さい。でも、いったいどうやってトラックを動かすんだろ?)
中国牧場奮闘記 その9

 これまで中国で行われてきた数頭飼いの牛飼いならそれでもいいのでしょうが、こちらは目指せ2,000頭の牧場です。それこそ日が暮れてしまいます(市場は朝日が昇る頃には終わるのですが)。

 とりあえず、この市場での導入は見送り、山東省の「国家種雄牛センター」に向かうことにしました。

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