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戸田克樹のコラム
第30話「卒業論文⑮ストレスって見えないよね~行動編⑥~」

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2015年4月20日

●タイムサンプリング
 また、カタカナがやってきました。
 これも前回と同様、行動観察で用いられる記録方法のひとつ

 前回は1分おきに記録をとっていく方法をご紹介しましたね。あの方法のメリットは、観察点が少ないため負担が軽いことにあります。しかし、観察点が少ないということは細かい記録は取れないということにもなります。そこで登場するのがこの「タイムサンプリング」なる方法です。

 これは、観察された行動をもれなく記録する方法です。大切なのは、行動の開始点と終了点。

 戸田の行動を例に記録方法を具体的に見ていきましょう
まずは前回のアクティビティバジェットの場合
16:00 カルテ作成
16:01 カルテ作成
16:02 カルテ作成
16:03 カルテ作成
16:04 カルテ作成
16:05 電話応対
16:06 カルテ作成

1分おきの記録なので、このような記録がとれます。

 では、タイムサンプリングの場合はどうでしょうか
16:00 ~32秒カルテ作成 33秒~コーヒー休憩~59秒
16:01 ~12秒カルテ作成 13秒~コーヒー休憩~32秒 33秒~談笑~59秒
16:02 ~4秒カルテ作成 5秒~おかし~20秒 21秒大きなあくび 22秒~カルテ作成

こういったように、「1分間の間に行動Aが○秒~△秒まで継続した」、あるいは「○秒の時点で行動Bがみられた」というような情報を与えてくれるのがタイムサンプリングのいいところ。
アクティビティバジェットでは「ずっとカルテ書いてる戸田」でしたが、タイムサンプリングでは「じっとしていない戸田」が見えてきました。記録方法ひとつで、見えてくる世界がこうも違ってくるのです。

驚き!!( ゚Д゚)

 どの方法をとるにしてもメリット、デメリットは存在します。

たとえば
記録が簡単なアクティビティバジェットは記録の精度が下がりますし、
詳細な記録ができるタイムサンプリングは記録情報が非常に多くなります。

 大切なのは自身の目的にあった方法を採択すること。なのですね♪

 なお!実際の戸田はきちんと仕事をしています(笑)。

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