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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−41 「1回給餌の注意点」」

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2009年6月12日

 飼料給餌という作業だけ見れば、1日1回で済むのでとても効率的に見えます。しかし1回給餌を行って、上手くいっている農家さんを見てみると、飼料の摂取量が上がるように、給与後も1日何回も飼料を掃き寄せ、飼料の山(左図)を作っています。また夏場などは、飼料が変腐しないように飼料の攪拌を併せて行います。飼料の量の調節に関しても、少ない場合は、夕方足したりしながら調節します。このように、実際にはとても手間暇をかけているのです。では、メリットはなんでしょう?
 それは、飼料給与後は誰でも管理できるということです。飼料の給与量は、その日の牛の状態、前日の飼料摂取量などを考慮し、給与量を決めるため、誰でもできる仕事ではなく、同じ人が給与しないとできません。しかし飼料の掃き寄せ、および攪拌は手技さえ教えれば誰でもできるので、企業畜産など、従業員の多いところでは有効となるのです。もちろん1回の給与量が多くなるので、日々の飼料給与量の調節は難しく技術が必要です。もし増頭を考えている農家さんなどは、試してみてもよいかもしれません。でも変更する場合は、下痢などが多発するので、生菌剤や健胃剤などを併用することをお勧めします。
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