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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−40 「1回給餌について」」

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2009年6月5日

 肥育の1回給餌、つまり1日の食べる量を1回で給与する方法ですが、2回給与に慣れている農家さんから見れば、1回に与える量が多くなると、一度にたくさん食べてしまい、ルーメンアシドーシスなどにならないか心配になります。しかし牛は慣れてしまえば、一度に食べるのではなく、一日の内に自分で調節して食べます。例えば、2回給与から1回給与に変更した直後は、少し過食気味になり、下痢が多くなりますが、同じ飼料を食べ過ぎるだけで飼料を変更するのではないので、ルーメン内の変化は少なく、重度のルーメンアシドーシスなどを示す牛はほとんどいません。すると牛は段々1回給餌に慣れてきて、何も問題なくなります。じゃー1回給餌の方が良いと単純に考えますが、しかし1回給餌を行っている農家さんも、よーく見るととても努力されています。
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