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数面麻子のコラム
第76話:風邪の予防について考えてみる⑧

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2015年4月3日

 一口にワクチンと言ってもいろいろありますね。まずは生ワクチンと不活化ワクチンについてみていきましょう。
 生ワクチンは、ウイルスや細菌を人工的に培養・継代して病原性を低下させたものです。ウイルス・細菌の増殖性と免疫原性は保たれているので、牛さんの体内で増殖して免疫誘導をすることが可能です。不活化ワクチンの場合は、大量に培養してその後薬品等で処理して病原性と感染性をなくしたものです。なので、牛さんに接種した後、体内で増殖することはありません。そのため、不活化ワクチンには免疫誘導を強化するための補助剤のようなものも一緒に入っています(免疫賦活剤と呼ばれます)。

 またまた小話。前回ワクチンの始まりについてお話ししました。牛痘に感染した人は天然痘の感染・発症を待逃れたということがきっかけでした。同じくワクチンの開発に貢献したパスツールはジェンナーを賞賛して、牛痘(vaccinia)からvaccination(予防接種)、vaccine(ワクチン)と名付けました。みなさんもよく知っている言葉ですね。

第76話:風邪の予防について考えてみる⑧

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