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椎葉絢香のコラム
牛用眼帯!③

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2015年3月24日

 では、今回眼帯をつけることになった牛さんを紹介します。

 生後6日目の子牛です。“昨日、針金で目をひっかき、今日は目が白く濁っている”と農家さんから診療を依頼されました。到着して、目を見ると・・・\(゜ロ\)
牛用眼帯!③

 眼球全体が白濁し、眼脂が目を覆うほど出て、目は全く見えていません。眼脂というのは、目ヤニのことで、眼粘膜から分泌された粘液にホコリや老廃物が混じったものです。

 いつもびっくりしますが、牛はこのような状態でもエサもしっかり食べ、元気に走り回っています。人間だったら、ご飯どころじゃないでよね・・・(=_=)

 眼脂を綺麗に拭いてあげると、ホラー映画に出てきそうな真っ白な目が!!
牛用眼帯!③

 この日は、抗生物質や消炎剤の全身投与と点眼をしたのですが、翌日、その翌日とまた眼脂が大量に分泌され、おまけにオガクズがまとわりついて、まったく良くなりません!!いや、むしろホコリが目に入り状態がさらに悪くなっているような気がします・・・

 そこで、考えました。このままでは、いつまでたっても治らない。牛は動くなといっても動くし、なんとか目を保護しないと!!そうだ!!眼帯をつけよう!!と。(・へ・)

 ちなみに、点眼は、抗生物質1mlと水性デキサメサゾン1ml(デキサメサゾンは目にしみます)を生理食塩水で10mlにしたものを使いました。角膜炎にはステロイドの利用は禁忌ですが、症状が重度の場合はステロイドの一時的な抗炎症作用や免疫抑制作用と抗生物質を組み合わせることで、抗生物質の単独投与より効果的に働きます。

 次回は眼帯をご紹介します。………つづく(*^▽^*)

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