(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
椎葉絢香のコラム
牛用眼帯!②

コラム一覧に戻る

2015年3月18日

 大動物(主に馬など)は、“眼瞼縫合術”といって、上の瞼と下の瞼を縫合して目を完全に閉じる治療法が行われています。

牛用眼帯!②

 しかし、牛の分野では外科的な治療法よりも、点眼療法(抗生物質や消炎剤)や抗生物質の全身投与が選択されることが多いです。小動物のように完全麻酔下で手術できないこと、外科的侵襲によるリスクが関係していると思われます。

牛用眼帯!②

 自家血清点眼療法は、とても簡易的な方法です!皆さんにも是非実施してもらいたいので少しこのお話をしようと思います。

 《自家血清点眼療法》
 人では重度のドライアイの治療法として実施されています。

 作成方法
 獣医さんに採血してもらい、血液を遠心分離します。すると赤血球や白血球が沈み、上に液体が残ります。この液体が血清です。血清だけを注射器で綺麗に吸い、抗生物質を1~2mlほど加えて完成です。人では、フィルターで不純物を除くといった過程を行うようです。

 涙の働きは、眼の表面を潤し、常に清潔にしておくことです。また、各種のビタミン、抗体、ホルモン、上皮細胞成長因子、免疫成分、糖分・塩分などの栄養素が含まれています。涙は、その個体にマッチした最高の目薬なのです!!

 そして、血清は、涙の成分と非常によく似ています。つまり、血清は涙のかわりとなる最高の目薬なのです!!(*’ω’*)

 ………つづく(*^▽^*)

|