2015年3月20日 今日も引き続き子牛の風邪対策についてです。寒い時期によく見かけるのが、風よけのために子牛ちゃんの部屋の1部あるいは全面を板で囲んでいる風景です。牛さんを可愛がる農家さんほど、隙間風が入らないようにがっちり囲っているのを見かけます。もちろん赤ちゃん牛に保温は大変重要です。しかし、子牛の頭数が多い場合や親から離して子牛達が数頭1部屋にいるような場合は、それが風邪の流行を招いていることがあるのです。 皆さんも昔、閉め切った部屋では何時間かに1回は窓を開けて空気の入れ替えをするように学校の先生などに言われませんでしたか?窓を閉め切って空気が動かなくなると、そこで病原菌が蔓延しやすいのと、二酸化炭素が増えて酸素が減少することで、ストーブを使用している場合はそれが不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生してしまいます。 これを牛さん達に当てはめて考えてみると、囲われた部屋で誰か1頭が風邪をひき、病原菌を排出すると、あっという間にその部屋の病原菌の密度は高くなり、他の牛に感染・発症するリスクが高まります。また、尿からのアンモニアも部屋に充満しやすくなるため、それを一日中吸い込むことで気道を痛めてしまい、病原菌に対する抵抗力を弱めてしまう原因になるのです。 前の記事 第73話:風邪の予防について考えてみる⑤ | 次の記事 第75話:風邪の予防について考えてみる⑦ |