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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−28 「飼料給与マニュアル(3)」」

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2009年3月6日

 私が考える理想的な増飼の仕方は、先ず自分の肥育プランを明確に持つことです。肥育牛を導入後、何ヶ月間を腹づくり期間とするのかを明確にします。その腹づくり期間は、基本飼料をある程度制限しておきます。そして、腹づくり期間終了後は、1頭あたり何キロというきっちりした量ではなく、牛群を見ながら少しずつ基本飼料を増飼して行くというシンプルな方法です。多くの農家さんでは、導入前期は1群の頭数は多い傾向にあります。あまりにも肥育マニュアル通りの規定量を意識しすぎてしまうと、前回のコラムのように弱い牛が十分に餌を食べることができず、せっかくの能力を発揮できなくなります。この増飼の期間を長くしてしまえば尚更です。よって、こういうメリハリのある増飼の方が牛群自体も揃いやすくなりストレスも少ないと思うのです。もちろんあまり極端に増飼するとルーメンアシドーシスなどを起こしてしまうので、その時の気候、牛の症状(下痢や風邪)などを見ながら増飼していって下さい。優秀な肥育農家さんでは、その牛群により飽食に持って行くスピードを変えますし、1群の頭数も多く管理できます。次回のコラムでは自分の増飼が上手くいっているかどうかの見方についてです。
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