(有)シェパード[中央家畜診療所]がおくる松本大策のサイト
佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−26 「飼料給与マニュアル(1)」」

コラム一覧に戻る

2009年2月20日

 左に、ある農場の飼料給与マニュアルがあります。この農場では、導入期から基本飼料を与え、導入後1ヶ月で2kg(育成飼料と合わせると濃厚飼料5kg)、2ヵ月目で4kg(計6kg)、3ヶ月目で6kg(計7kg)、4ヶ月目から食べるだけ飽食にもって行くという給与設定となっています。このマニュアルでは、基本飼料を中心に考えれば、1カ月間に2kgずつの増飼、1日あたりで換算すると60~70gの増飼となり、今までお話したように増飼のストレスという点で見れば、かなりゆっくりの給与設定であり理想的な感じです。このような飼料給与マニュアルは、各飼料メーカーさんが自社の飼料の特徴などを考慮し作成していますので、各農家さんによって異なります。このマニュアルは、飼料給与のビジョンを持つのにとても大事なアイテムだと思います。しかし、自分の肥育形態を考慮しないと、マニュアル通りに行かないことも出てきます。
 次回からは、肥育マニュアルを増飼の視点から考えていきます。考え方によっては、大きなストレスとなることもあるので注意が必要です。
|