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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その7

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2015年3月9日

 楊さんに紹介していただいたボスにお目にかかるために、いったいどういう経路でそこに向かえばいいのかな?と考えながら紹介状を見ていると、なんとボスの何 氷(フー・ビン)社長は、日本の鎌倉にお住まいでした。
 さっそく帰国して鎌倉に飛び、何社長とお会いして、中国で牛を飼育して良い牛を作りたいこと、それがひいては中国の牛肉消費の牽引となり、アメリカやオーストラリアの牛肉がそちらに向かうことで日本の生産者も助かることなど、一気にまくし立てました。

 何社長も、日本で長く生活なさっていて、僕よりも日本語が上手だったので、想いを伝えるのにまったく障害はありませんでした。本当についていました。
 それだけではなく、何社長は中国国内の経済界や政界にも通じていらっしゃったので、「お話しは解りました。」とすぐに中国国内で牛を飼育するには、どのように仕事を進めたらよいかを一緒に考えることになりました。何社長は、日本在住とはいえ、月に何度もチンタオや北京に出張なさっていらしたので、次の月から僕も月に一度日程を合わせて、中国で何社長とお会いして土地を見に行ったり、政府の方とお会いしたり、出資者の方々にご挨拶したり、と一歩一歩中国の牧場の仕事が前進していきました。

 一度、中国畜牧局(日本でいうと農林水産省畜産局でしょうか)の局長から「和牛の精液をもってきたらVIPにしてあげますよ。」と言われたのですが、「あなたは日本の牛で世界一になっても、中国のメンツは保てるのですか?中国の牛で一緒に世界一を目指しましょう!」といってお断りしました。ネットで、僕が和牛の精液を持ち出しているとか書いてる人がいますが、僕は自分のためにも顧客のためにも1本も精液を買ったこともいただいたこともありません。これはコンサル先の種雄牛農家さんも証明して下さいます!

 とりあえず、牧場が莱西という場所に決まり、場所を見に行ったらさすがは中国!その広大さにあきれてしまいました。続きは次回。

中国牧場奮闘記 その7

中国牧場奮闘記 その7

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