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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−15 「1.粗飼料の選択2(ヘイキューブ編)」」

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2008年11月28日

 私が診療をしていて、ヘイキューブを上手に使いこなす農家さんほど良い牛を作るような気がします。理由の一つとして、ヘイキューブの質にもよりますが、他の粗飼料に比べてタンパク質(CP)が断然高いのが特徴です。前回もお話したように肥育前期では体づくりのためにタンパク質が重要で、良質のタンパク質を十分に与えることで肥育牛の伸び(高さ)が出てきて、力強い牛になります。ではヘイキューブを使いこなす難しさとは何かというと、第(1)に嗜好性の悪さ、食わせ込む難しさにあります。実際にチモシーやオーツと一緒にヘイキューブを与えてみると、個体によってはヘイキューブをほとんど食べないほどで、嗜好性は非常に悪いのです。また肥育飼料(濃厚飼料)の量を上げていくと、もっと食べなくなります。これは自分の感覚ですが、餌のタンパクの割合が高いほど、ヘイキューブの食いが悪くなるような気がします。牛が分かるのかもしれませんね(笑)。また第(2)にヘイキューブ粉を使用する場合に多いのですが、マメ科であるため、鼓脹症が出やすくなります。もしヘイキューブ粉を使用する場合は、給与量に注意してください。また(1)に関しては、食わせこむ技術が必要となります。ひとつの方法として、あまり食べない牛群に対しては、濃厚飼料と混ぜることで食い込ませる農家さんもいます。もし肥育前期で牛が伸びない(高さがでない)農家さんでは使用してもよいかもしれません。
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