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松本大策のコラム
中国牧場奮闘記 その5

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2015年2月16日

 前回の写真で、牧場の写真を載せましたが、1牛舎に200頭飼育されていて、それg50以上並んでいるのですから、それはそれは壮観でした。しかも給餌から除糞からすべて人力! さすが人口大国 中国です。

 中国では、木造建築がほとんどなく煉瓦造りですから、日本のようにノコクズが発生しません。それで、床は煉瓦を並べて、尿は地下に浸透し、糞のみ残るのでそれを除糞するという作りでした。ちなみにその当時の僕は若かったので、いらぬお節介を発揮して「こんなやり方では地下水が汚染されます!」と牧場の方に熱弁をふるったのを覚えています。

 この牧場では、14ヶ月齢程度までトウモロコシの茎のサイレージ(日本のホールクロップとは全然違う、茎だけのヤツです)のみ与えて、その後3ヶ月ほど穀物を与えていました。

 トウモロコシのサイレージの品質はというと、これがなかなかどうして日本でも優秀な方の発酵の良好なものでした。あちらのサイロは、写真の様に超巨大。しかもそれを人力で圧踏していくのです。それから土をかぶせて翌年まで寝かすのですが、品質は前にも書いた様にとても良いものでした。

 飼槽の作りは、水桶がなく、飼料を食わせた後に、水をためて飲ませるという単純というか、飽食には向いていない形式でした。

 しかも穀物給与期間も3ヶ月のみ、出荷月齢も17ヶ月齢程度ですから、類推した肉質は「まあ、この程度だろうな」みたいに思っていました。しかしその後枝肉倉庫を診た僕たちは、いろんな意味で驚くことになるのです。

つづく

中国牧場奮闘記 その5

 

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