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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−11 「肥育前期の腹づくり」」

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2008年10月31日

 前回のコラムの続きになるのですが、肥育飼料に徐々に慣らすと言っても、導入後3ヶ月くらいかけて、ゆっくりと濃厚飼料の量を上げていきます。よって肥育前期では、粗飼料主体の腹づくり(肥育飼料に慣らす)期間となるのです。しかし最近、肥育前期の飼養管理において、極端な飼い方をされる肥育農家さんが増えてきました。その飼養管理とは、肥育前期期間(導入後1〜6ヶ月)、ほとんど濃厚飼料を与えずに、乾草、ヘイキューブ、稲ワラなどの粗飼料のみで飼養する方法です。この時に使用する粗飼料の種類や腹づくり期間の長さは農家さんにより異なります。もちろんこの時期は腹腔内脂肪の発達時期であり、この時期にあまりカロリーを上げ過ぎると(濃厚飼料を与え過ぎると)、筋間脂肪がかみやすくなり、ロースなども小さくなる可能性があります。しかし、あまりにも極端に制限しすぎると、次回お話するように、とても難しい肥育になってしまいます。
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