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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−10 「飼料の変化(2)」」

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2008年10月24日

 導入直後の肥育素牛の飼料の変化に早く対応させるために、肥育農家さんたちは、導入してから3日くらいは稲ワラや乾草などの粗飼料のみを給与して、少し粗食を体験させます。その後、少しずつ肥育飼料に慣らしていくのですが、この時に最初から肥育飼料のみ給与してしまうとルーメン内の変化が激しいので、一緒にフスマやビール粕などを混ぜながら給与する農家さんが多いようです。簡単な言い方をすれば、フスマやビール粕を混ぜることで配合飼料を少し薄めてルーメンコンディションを整えながら、慣らしていくのです。ここをいかにスムーズにもっていけるかが、重要になります。ここで私が診療していて、いいなーと思ったのは、導入直後は繁殖農家さんの使用している育成飼料を少し使用するという方法です。この方法だと、普段から食べ慣れている配合飼料なので、食い付きがよくストレスも軽減されます。その後、少しずつ肥育飼料に切り替えて行けば良いのです。最近は、セリの名簿などに繁殖農家さんで使用していた育成飼料や乾草などが書いてあるので、試しても良いかもしれません。
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