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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−9 「飼料の変化」」

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2008年10月17日

 導入後のストレスとして次に挙げられるのが、餌の変化です。繁殖農家さんから肥育農家さんへ移ると、今まで食べていた育成飼料および粗飼料が変化します。食べる物が変化するというのは、相当なストレスだと考えられます。それらの飼料に慣れる間、ルーメンのコンディションは不安定となり、抗病原性も低下して風邪や腸炎に罹患しやすくなります。また、現在の肥育素牛たちは、繁殖農家さんの段階で育成飼料(配合飼料)を最低でも1日4〜5kg程度は与えられています。それが、いきなり肥育農家さんのところへ導入されて、いつも食べていた配合飼料がゼロになってしまう訳ですから、素牛たちにとっては相当な空腹ストレスになります。だからといっていきなり大量に肥育飼料を与えても導入直後の素牛たちは、口に合わないのかほとんど食べません。よって肥育農家さんは色々工夫して肥育飼料に慣らしていくのです。その工夫については次回ご紹介します。
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