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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−6 「密飼いのストレス」」

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2008年9月26日

 肥育牛の飼育密度について少しお話させて頂きます。肥育牛の1頭あたりの占有面積のことですが、これは農家さんによってまったく異なります。実はこの飼育密度が一番重要です。飼育密度が高い、いわゆる密飼いになると、牛床の状態はもちろんのこと病気の発生率がぐっと上がります。また肥育後の増体や肉質も影響が出ます。もちろん密飼いにした方が飼養頭数が多くなり、効率的に肥育できます。しかしそのせいで、病気の発生率が上がり、増体や肉質が低下しては本末転倒です。もしその可能性が考えられるようならば、飼養頭数をもう一度見直したほうが良いかもしれません。
 理想的な肥育前期の飼養面積は、1頭当たり6平方mくらいと言われています。診療所管内の優良な農家さん(肥育前期での疾病発生率の少ない農家さん)を調べてみると、やはり6平方m/頭くらいでした。
 この「密飼い」というものは、実際に比較検討はしていませんが、牛にとっては相当なストレスなのだと思います。人間だってなるべく広いところで生活したいですよね。
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