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佐々隆文のコラム
「肥育とストレス−5 「群編成ストレス2」」

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2008年9月19日

 私たち獣医師が、肥育導入牛の群編成ストレスを一番感じるのは、肥育素牛を追加導入した時です。以前のように肥育素牛が高い時に多いのですが、1つの市場だけでは、牛が揃わないために、1マスの導入牛を、数箇所の別のセリ市から導入する場合です。こういった場合には、その都度、群編成ストレスが生じるために、同じ導入予防処置をしても、疾病の発生率がまったく違います。追加導入した場合の方が病気が多いような気がします。理想を言えば、同じマスは同じセリで一度に導入した方がよいと考えられます。そうすれば群編成ストレスも1回で済みますし、肥育農家さんも導入後の飼養管理も一斉に揃えられますし管理がしやすいと思います。でもどうしても揃えられない場合は、導入牛を追加する時に、牛群全体に添加剤などを、疾病の予防に使用すれば良いでしょう。現在では、ポジティブ制度の影響で、抗生剤などの添加剤を使用しにくい場合は、ビタミンA入りのドン八ヶ岳ADEを50g/頭添加しても効果があります。私も診療などで、風邪が多発している時などは、予防の意味でよく添加しており、良い感触を得ています。是非試してみてください。やはり病気は予防が一番であり、発症する前に対策することが重要です。
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